朝日新聞夕刊
1941(昭和16)年12月9日
日本の戦争
日本は太平洋戦争より前に中国と戦争をしていました。戦争の中で物資が足りなくなった日本は物資の確保と援蔣
(えんしょう
)ルートの遮断のため、東南アジアへ進出しました。しかし、この行動に対して反対した国がありました。アメリカです。徐々に悪化していく日米関係の問題を解決するために
1940(昭和
15)年の年末から交渉が始まりました。しかしその交渉はまとまらず、日本は戦争を決断することになります。
新聞では一番上に最も大きな見出しでアメリカ、イギリスに対して宣戦布告
(せんせんふこく
)したことが書かれています。さらに日本軍が戦果
(せんか
)を挙げたことが大きく報じられています。これから戦争するにあたっての国民の士気
(しき
)を上げるためだったのでしょう。開戦理由については詳しく書かれており、重要な部分は強調されています。そして東条英機
(とうじょうひでき
)の「大詔を拝し奉りて」の放送についても記事があります。記事の下の欄には海外の電報の情報があり、ここから世界中で戦争が始まったことが分かります。
1945年に終戦した太平洋戦争ですがこの戦争は決して忘れず記憶、記録を継承
(けいしょう
)していく必要があります。今回展示している内容を新聞の紙面で見ることがないよう、私たちは平和を維持しなくてはなりません。