立命館大学国際平和ミュージアム 平和教育研究センター Peace Education and Research Institute, Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

お知らせ NEWS

第15回メディア資料研究会を開催しました

2020.02.25(火)

▲報告会の様子


 今回のメディア資料研究会は、立命館大学映像制作サークル録による発表でした。制作した映像作品『きけ 先達のこえ』2020年制作 15の上映と、戦争体験者の声をきいて学んだこと、感じたことの報告がありました。

 録は、2019年5月に結成、現在、当大学映像学部映像学科に所属する8名で活動しています。当日は代表の藤森 俊哉さんほか、木下慧斗さん、山中康平さんが登壇しました。昨年6月ごろから、大学生と戦争について知りたいということで、学徒出陣の経験をもつ岩井忠熊名誉教授や、当館のボランティアガイド、来館者へインタビューを重ねてきました。今の大学生若者が戦争の時代に関心をもつことがなく暮らしていることへの疑問や、若者の目からみた戦争とは何かを問いたいと、意欲的に撮影に取り組んでいました。

 作品は、アジア太平洋戦争を概観し、岩井先生、ボランティアガイドの村尾肇さん、足立恭子さんがそれぞれの戦争体験を語る部分と、今の時代の人間が戦争を考える意味について繰り返し問いかけるナレーション部分で構成されていました。作品を制作していて彼らが印象にのこった言葉として、大学に行くことのうしろめたさを感じる岩井、戦争を説明する時、小学生には時代背景そのものが共有できない足立、戦争に利用できる学問があること、大学生に自覚してほしい村尾などがあるといいます。果たして自分たちがそんな風に大学生活に向き合っているのか、自問したそうです。

 会場からの意見、アンケートには、大学生がつくる作品だからこそ意味がある、今後、内容を厳選し映像を通じて新しい発見を見つけ出してほしい、などの手厳しいながらも活発な意見がでました。戦争を知る必然がない(考えなくても生きていける)のに、あえて戦争を伝えることをテーマに選んだことそのものに感心するといった感想もありました。大学ならではの取り組みでもあり、戦後75年たった今、戦争体験者が一層減っていく中で次世代への期待の大きさを示しています。

 今後、幅広い世代の意見を聞き、制作者の視点が明確に表現されていけば議論も深まることでしょう。映像作品としての完成度を高めた次回作が期待できます。

15回メディア資料研究会 

演題 作品上映『きけ 先達のこえ』制作:映像サークル「録」 202015

報告 「戦争体験者の声をきいて」

日時 2020212 1100-1200

報告者 藤森 俊哉、木下 慧斗、山中 康平映像学部一回生

参加人数 37

 

 

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