お知らせ NEWS
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2018.03.15(木)
3月10日(土)、立命館大学国際平和ミュージアム平和教育研究センター主催による映画『奪われた村 避難5年目の飯舘村民』(監督 豊田直己/2016年/64分)の上映会および本作監督で報道写真家の豊田直己氏のスライドトークを行いました。
本作は、2011年3月11日の東日本大震災に付随して起きた福島第一原子力発電所の事故発生から5年を経た福島・飯舘村を取材したドキュメンタリーです。
数年ぶりに我が家の様子を見に来た村民たちは、事故後どのように過ごして来たのか、それぞれの胸の内を語ります。彼らは人々の笑顔があふれ緑豊かな美しい村から事故によって奪われたものは、土、植物、家族、祭など村そのものだったと訴えます。そしてこれらは今も奪われ続けています。
飯舘村は環境省の除染実施計画に基づく除染等の措置が完了したことを理由に2017年3月31日に避難指示区域が解除されましたが、ほとんどの住民は避難先での生活を続けています。帰りたくても帰れないのは、安心して帰ることが出来ないからです。
上映に続くスライドトークでは事故発生直後から現場に入り、住民が避難した後の村の様子や除染作業風景、避難先での住民の暮らしなどを継続して取材してきた豊田氏から現場で見てきたことをお話いただきました。最初に豊田氏は事故発生から7年という月日が私たちの当事者意識を薄れさせてしまっているのでは、と会場に問いかけました。その上で飯舘村の現状、復興とは何を意味しているのか、仮設住宅が取り壊された後の不安、今後も続く除染作業員の被爆など、私たちの考えるべき多くの問題を提起していました。
当日は東日本大震災が起こった3月11日の前日ということもあり、70名近い方々にご来場いただきました。参加者からは「知らないことがたくさんあって、自分は知ろうとしていたつもりでも知ろうとしてなかったかもと思いました。貴重なお話を伺えてよかったです。本当にありがとうございました」「豊田監督の怒りのエネルギーを感じました。福島の県民の(奪われた生活や過去や未来に対する)声を代弁されていると感じました」などの感想が寄せられました。
上映会を通して、原発事故発生直後から現在まで、福島の現状を粘り強く伝え続ける豊田氏の思いをうけて、改めて福島と原発事故について知り、平和な社会の構築のために何が必要かをそれぞれが考える良い機会となりました。