立命館大学国際平和ミュージアム 平和教育研究センター Peace Education and Research Institute, Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

お知らせ NEWS

12月16日(土)、第6回メディア資料研究会を開催しました!!

2017.12.21(木)

 

 2017年12月16日(土)、第6回メディア資料研究会を開催いたしました。今回は、立教大学共生社会研究センターの平野氏に、センターの歴史、日々の活動内容、原子力関連のさまざまな記録(群)とそれらが同センターのコレクション全体に占める位置、そして記録(群)や人びとの関係性といった視点から報告をいただきました。
共生社会研究センターは、市民の多様な活動が生み出した記録を収集・整理・保存・公開し、実証的研究を通じて持続可能な共生社会の実現に資する事をめざして、立教大学が運営するアーカイブズで、べ平連や伊方原発行政訴訟資料などが所蔵されています。
  報告の中では、このように社会運動や市民の活動に関わるアーカイブズの歴史の中に共生社会研究センターも位置づけられました。記録の集合体であるアーカイブズ、特に公文書館は権力の側が後世に残す歴史を決めるものでしたが、19世紀末から20世紀初頭にかけて、女性参政権や労働運動など、社会運動の研究と記録を目的とした機関が設立されるようになり、1960年代には公民権運動や反戦運動などの盛り上がりで、社会運動を専門としたコレクションや当事者にアーカイブズが盛んになり、1990年代にはこうした記録の散逸を防ぐため、また、アーカイブズが持続可能な社会を作るための取り組みの一つとなりました。
こうした流れの中に社会運動を捉えるとき、その記録を残すための機関としてアーカイブズとミュージアムそれぞれにどのような利点や課題があるのか、また、そもそも社会運動の記録を残すためにはどのようなあり方がふさわしいのか、改めて問われます。
  また現在、共生社会研究センターが収蔵する資料は、労働、人権、環境、平和、公害、消費者、先住民、女性などのキーワードで把握あれ、多岐に渡る課題に取り組んだ市民の活動の記録ですが、今回、平野氏はこれを横断的に検索し、その多くが、活動の中で原子力に関わる問いかけをしていることを明らかにされました。「資料を指で読む」と語り、26万点以上に及ぶ資料を把握し、その中から自在に当時の声を拾い上げることができる平野氏に参加者一同感銘を受けました。
報告と質疑の間では、当館が所蔵する「巻原発計画の白紙撤回を求める申入書」などの原子力の問題と向き合った資料を閲覧し、各地の資料館が収蔵するこれら資料を網羅的に把握し、各館の収蔵資料を全体の中に位置づけるための取り組みの必要性についても話合われました。

第6回メディア資料研究会
日時:2017年12月16日(土)15:00~17:30
会場:立命館大学国際平和ミュージアム 2階ミュージアム会議室
参加者:11名(報告者1名、教員2名、研究員1名、院生2、学芸員3名、職員1名、他1名)
報告者:平野 泉 氏(立教大学共生社会研究センター)
報告題目:「人びとと原子力―立教大学共生社会研究センター所蔵資料から―」

 

▲平野泉氏

▲資料を閲覧する参加者

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