お知らせ NEWS
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2016.12.09(金)
2016年12月9日(金)、第3回メディア資料研究会を開催いたしました。第3回となる今回の研究会では、「鹿地亘氏関係文書からみる日中戦争の終焉」と題して京都大学地域研究統合情報センターの貴志俊彦先生にご報告いただきました。
鹿地亘資料(瀬口允子氏寄託資料)は鹿地亘が中国の国民政府の下で、日本軍兵士捕虜を日本人民反戦同盟として組織して反戦活動を行っていた時期の記録を中心とした資料です。当時の日本人の反戦活動を示す資料でもあり、当時の国民政府の宣伝工作を知る上でも重要な一次資料です。
本報告では、これまで鹿地亘資料が主に反戦同盟の活動を研究するために用いられてきたのとは異なり、より大きな視点・角度から日中戦争を知ることができる資料として位置づけがされました。日中戦争期、国民政府に協力していた日本人は反戦同盟だけでなく、他にも様々な集団が存在しました。また日本軍兵士捕虜の全てが反戦同盟に加わったわけではなく、多くの捕虜は反戦活動を拒んでいました。その他、反戦同盟等を巡っては国民党やアメリカの思惑も大きく影響していました。彼らの存在や活動も鹿地亘資料に見ることができ、反戦同盟を相対化することで、当時の捕虜全体の問題を考察していくきっかけとすると共に、それら捕虜たちの終戦前後の状況を見ることで日中戦争の終焉の状況を明らかにする可能性を示されました。
本報告を受けて鹿地亘資料の新たな資料価値が見出されると共に、日中戦争について新たな視点が示されました。
第3回メディア資料研究会
日時:2016年12月9日(金) 17:00~19:00
場所:立命館大学国際平和ミュージアム 国際平和メディア資料室
参加者:14名(報告者1名、教員3名、院生5名、学部生2名、学芸員3名)
報告者:貴志俊彦(京都大学地域研究統合情報センター)
報告題目:「鹿地亘氏関係文書からみる日中戦争の終焉」