お知らせ NEWS
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2016.05.20(金)
2016年5月20日(金)、国際平和メディア資料室にて、第1回メディア資料研究会が開催され、教員、院生、職員など15名の参加がありました。
この研究会は、国際平和ミュージアムや国際平和メディア資料室の収蔵資料にかかわる研究をされている専門家をお招きし、資料を前に報告いただくものです。初回となる今回は、文学部非常勤講師の丸山彩氏、大学院(学振DC)の織田康孝氏に「アジア・太平洋戦争期のジャワにおける歌曲懸賞ー《八重汐》の成立に着目してー」と題した報告をいただきました。
また、報告では、「ジャワ・バル」、レコード「隣組」やCD「椰子の実」、レコード「婦人従軍歌」の視聴(以上、当館収蔵)も行われました。アジア太平洋戦争期、歌曲募集は積極的に行われ、植民地・占領地でも宣撫工作として日本の楽曲が導入されました。しかし、懸賞の浸透や日本の楽曲の受容は地域により異なります。本報告では「八重汐」を事例にジャワにおける日本主導の歌の成立の様子が示されました。
参加者からは、なぜ、植民地と占領地で歌の定着が違うのか、また、ジャワで日本の楽曲導入を指導した層にはジャズ排斥の思想が見える一方、ガムランなどの現地の音楽への回帰の思想があるのはなぜかといった質問があり、発表者からは、占領地と植民地では、日本語教科書の導入の差があり、これらが日本の歌の浸透に影響したこと、指導層には、洋楽の中でも特にアメリカ性のものへの排除の思想が強かったのではないかといった回答がありました。